アイデンティティ地位
Identify status
Marcia,J.E.
エリクソンによって提唱されたアイデンティティという概念を発展させた人物がマーシャ(Marcia,J.E.)です。今回の記事ではマーシャの理論について扱います。
エリクソンのアイデンティティについては『アイデンティティ』を参照してください。
マーシャは青年期の多様な在り方について、4種類に分類しています。
- アイデンティティ達成
- モラトリアム
- 早期完了
- アイデンティティ拡散
これら4種類です。
また、それを面接によって評定する方法を提案した人物でもあります。
4分類それぞれの類型によって性格特性があるとしました。
それぞれの分類についてみていこうと思います。
アイデンティティ達成
(identity achievement)
危機経験済み、傾倒している
幼児期からの在り方について、確信がなくなり、可能性について本気で考えた結果、自分なりに解決し、行動している状態を指します。
モラトリアム
(moratorium)
危機経験中、傾倒しようとしている
今や今までの自分について、確信がなくなり、いくつかの選択肢について迷っているところで、その不確かさを克服しようと努力している状態を指します。
早期完了(フォークロージャー)
(foreclosure)
危機未経験、傾倒している
自分と親の目標に不協和がなく、危機を経験せずも、特定の生き方、職業、価値観などに積極的に関与している状態を指します。
青年期の同一性は流動的であって、固定的ではない、ということからもforeclosureと言われています。
アイデンティティ拡散
(Identity diffusion)
この地位は、危機を経験済みのものと未経験のものに分かれますが、どちらにせよ傾倒はしていない状態です。
危機未経験、傾倒していない
こちらの場合は、今まで自分が何者であったのかという経験をしておらず、何者であるのか、何者かである、という想像ができない状態です。
危機経験済み、傾倒していない
こちらの場合は、危機を経験しています。しかし、すべてのものになれる、できる、という自信があり、楽観的な状態ですので、傾倒していません。
特に危機という概念や、傾倒という概念については説明していませんが、雰囲気で分かるかなと思います。筆者も漠然とした認識ではありますが、危機とは一度自分が何者であるかを真剣に考える期間であり、傾倒とは、現実を正確に見極め適応している状態のことを指していると考えています。
試験では早期完了、フォークロージャーという単語が頻出になってきますので要チェックです。
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