愛着障害
愛着障害とは、『過度に不適切な養育環境で育った子供にみられる、対人関係の障害』です。
大きく二つに分けられます。
- 反応性アタッチメント障害
- 脱抑制型対人交流障害
DSM5では、少なくとも発達年齢9ヶ月の子供に診断される障害です。
不十分な養育の極端な様式を経験していることが原因とみなされます。
例としては被虐待経験などでしょうか。
これにより、対人交流において、極端に抑制的、又は脱抑制的な関係を形成してしまいます。
反応性アタッチメント障害
これは対人交流において、極端に抑制的な関係を形成する、『抑制型』です。
行動特徴として、養育者に対し、アタッチメント行動をほとんど起こしません。
親が自分の視界から消えようが、再び現れようが、不安になったり安堵したりする様子が見られないのです。
また、養育者からのアタッチメント行動にほとんど反応を示しません。
養育者との交流の中で、陽性(ポジティブ)な情動表出がほぼ泣く、ネガティブな情動を示します。
ネガティブとは、恐怖・悲しみ・苛立ちなど、説明のできない陰性の感情エピソードを指します。
脱抑制型対人交流障害
これは、対人交流において、極端に脱抑制的な関係を形成する、『脱抑制型』です。
行動特徴としては、見慣れない大人に躊躇いなく近づきます。
ほとんど初対面の人への不適切なほどの過度な馴れ馴れしさを含む行動を起こします。
しかし、離れたときには大人を振り返って確認するなどしません。
初めてなのにすごく親しげに話してくれるなぁ、と思っていても、離別時にはもう全く興味を示さず「あっそうバイバイ」と去っていってしまうような感じです。少し寂しいですね。しかし当たり前ですが、本人は何の悪気もありません。
どちらも幼少期の過去の経験が大きな影響を与えているとされています。
愛着障害のように、環境の影響が大きく関わってくるアタッチメントの形成ですが、これを調査する方法として、ストレンジシチュエーション法(SSP)がありますが、それはまた別の記事でお話しします