言語
今回は言語について、心理学の中での考え方や、発展についてみていきます。
・心理学における言語研究
・スキナーとチョムスキーの対立
・ピアジェとヴィゴツキーの対立
この順で進めていきます。
言語研究
心理学における言語研究は、どのようにして言語が獲得されるのか、といった視点で対立があり、発展していきます。初めに、行動主義でおなじみのスキナーが、行動心理学による獲得の仕方をすると主張します。その後、時代は認知心理学の時代に突入し、チョムスキーを批判します。それが言語研究の始まりになります。それではスキナーとチョムスキーの対立について、詳しく説明していきましょう。
Skinner,B.F VS Chomsky,N.
まず、スキナーは1957年に『言語行動』の中で、言語獲得は、オペラント条件づけとその般化によるもの、と主張します。
それに対してチョムスキーは、言語獲得は、もともと生まれつき持っている生得的なもので、言語獲得装置を持って生まれてくる。と主張します。認知心理学的な視点からの批判です。
Piaget,J. VS Vygotsky,L.S.
次に、この人物たちは、幼少期の児童が話す独り言のような言葉について着目し、論争をしています。
・ピアジェ(Piaget,J.)
自己中心的言語(Egocentric speech)
・「前操作期」のこどもの認知の特徴としてこれを提唱します。
・幼児が集団内で発する言葉は、この聞き手の存在を考慮しない独り言が多い。
・7,8歳以降、社会化に伴って減少、社会的言語(聞き手の存在を考慮した言語)が優勢になる。
・反復と独語と集合的独語からなる。
・ヴィゴツキー(Vygotsky,L.S.)による反論
内言と外言であると反論。
・集団内独語は意思伝達が不可能な者といるときは発せられない
・課題解決状況下で進行がスムーズにいかない時に頻発する
・言葉とは外言である。つなわち、他者とのコミュニケーションの道具として発生している。対して、内言とは、思考手段としての言語活動のことで、幼児期に分化して生じる。ピアジェの主張は、これでいう、文化が不十分な段階で施行に外的発声が伴う、不完全な内言である
⇒以上の反論をします。それに対し、ピアジェは、後にヴィゴツキーの批判に対して認めており、自己中心的言語は、不完全な内言であるとしています。
そのほか、言語に関するキーワードとして、「言語の自己調整機能」「言語相対性仮説」がありますが、それらについては個別の記事を作成予定ですので、そちらを参考にされてください。それでは、お疲れさまでした。