カクテルパーティ効果
Cherry, E. C.
cocktail-party effect
カクテルパーティ効果は、選択的注意の代表例です。選択的注意はまた個別の記事で扱いますのでそちらを参照してください。
カクテルパーティ効果とは、「パーティのようなざわざわしたところでも、自分と関連性の高い語が発せられると、無意識に選択的に注意を向け、反応することができる現象」のことを指します。
この現象について、有名な実験を紹介します。
チェリーの両耳分離聴課題
<実験>(Cherry, E. C.)
この実験は、両耳から異なる物語が流れるヘッドフォンを装着し、そのどちらかの物語を追唱してもらうという課題です。
絵がへたくそですいません。
この復唱課題の後で、注意を向けなかった方の耳に流れていた単語について報告させると、ほとんど報告できませんでした。
ただし、注意を向けていない方の耳から流れた物語の声が女から男に変わった、外国語に変わったなどの、音韻的な物理的処理は行われていたそうです。
この実験結果から、注意を向けなかった情報は、初期の段階でフィルターをかけられて失われ、その後の意味処理までは行きつかない、という考察がされました。
ちなみに、このフィルターや選択的注意という用語から、ブロードベントの注意のフィルターモデルを連想していただけると嬉しいですね。初期の段階、というのがまた論点で、このフィルターがどのタイミングでかけられているのか、という違いでいくつかのフィルターモデルが提唱されています。
ブロードベントはCherryとほぼ同時期に、両耳分離聴を用いた選択的注意の実験を行っています。またこちらも注意のフィルターモデルという個別の記事で扱う予定ですので、参考にされて下さい。混合しないように注意しましょう。
このカクテルパーティ効果、またはカクテルパーティ現象とチェリー、ブロードベントなど、今回扱った内容は非常に重要ですので、この用語から記述式で対応できるまで派生して知識をつけておくことをお勧めします。
話がそれましたが、今回はこれで以上です。お疲れ様でした。