ゲシュタルト心理学
Weltheimer, M. (1880-1943)
今回はゲシュタルト心理学についてご紹介します。
ゲシュタルト心理学は、心理学という学問を発展させる一つの重要な役目を担いました。そのため、ゲシュタルト心理学という分野の考え方だけでなく、心理学史の側面からも重要となってきます。
特徴
・提唱者はヴェルトハイマー(Weltheimer, M. )。
・要素主義(提唱者:ヴント)の考え方を否定
・事象には「要素に還元できない、まとまりのある一つの全体が持つ構造的特性」があると主張します。
・知覚研究から始まり、記憶、思考、行動、要求、集団特性にまで発展させます。
・現代心理学の源流の一つとして位置づけられています。
成立
・主なゲシュタルト心理学者は3名
1.ウェルトハイマー Weltheimer, M. 1880-1943
2.ケーラー Kohler, W. 1887-1967
3.コフカ Koffka, K. 1886-1941
・”運動視に関する実験的研究”(1912)の中で仮現運動を提唱。
他γ現象、γ運動、コルテの法則などを提唱。
・恒常過程への反証
影響
- 要素を構成することであらゆる事柄を説明できると唱えたヴントの要素主義、または構成主義を批判。
- 全体性の強調はのちの行動主義へのアンチテーゼにもなる。
- 特にケーラーの認知における場の体制化は認知心理学発展につながり、大きな影響を及ぼす。
影響を受けた学者
・アッシュ Asch, S. E.
ウェルトハイマーの影響を受け、印象形成や同調実験を行った有名な人物。
・フェスティンガー Festinger, L.
レヴィンの影響を受け、グループ・ダイナミクス研究所に関わり、認知的不協和の研究を行った有名な人物。
・トールマン Tolman, E. C.
学習理論の提唱者。目的的行動や認知地図について研究。
・ルーチン Luchins, A.
水瓶問題について研究
このように、ゲシュタルト心理学は、多くの有名な心理学者を生みだしました。
ゲシュタルト心理学の代表的な考え方は仮現運動であるため、必ず覚えておきましょう。仮現運動については個別記事で扱っていますので、そちらを参考にされて下さい。
以上で終わります。お疲れ様でした。