仮現運動

一般心理学,心理学,生理心理学,知覚心理学β運動,γ運動,φ現象,ガンマ運動,コルテの法則,ベータ運動,純粋φ

Contents

apparent movement

別称:β運動

今回は有名な仮現運動です。これは頻出重要な用語ですのでしっかり覚えておきましょう。

仮現運動とは、「異なる場所にある二つの静止対象を短い時間間隔で継時的に呈示すると、あたかもその対象間を実際のものが運動しているように見える現象」のことをいいます。

自動販売機で夜になるとボタンを押すところが端から順に点滅しているところを見たことはありますか?あれも、全体で見ると端から光が移動しているように見えますが、実際は部分部分でそれぞれがタイミングよく点灯してるだけですよね。

このように、一つ一つの要素だけで見ても説明のつかない、物事を全体として捉えなければ説明ができない現象の一つとして、仮現運動が挙げられます。

この運動を発見、研究したウェルトハイマー(Wertheimer)は、ヴントの要素主義を批判し、ゲシュタルト心理学を創始した学者です。これらについてはまた個別の記事で詳しく扱いますので、そちらを参照してください。

それでは少し細かく見ていきますが、仮現運動については、基本的にここまでを押さえておけば試験では問題ないと思います。

先ほど、仮現運動の定義を述べましたが、短い時間間隔で継時的に呈示すると、という文章があったと思います。その時間間隔についてです。

  • 同時時相

0.03秒の間隔は、同時に呈示されているように見える

  • 継時時相

0.2秒の間隔は、逆に長すぎて別々に呈示されているように見える

  • 最適時相

0.06秒は一本の線が運動しているように見える

ちなみに線ではなくある点aからbへの滑らかな’運動’そのものが感じられる現象(現象的運動 phenomenal movement)を特にφ現象と言います。

φ現象について、さらに線はなく、動きのみが感じられる場合は純粋φといいます。

そしてこの現象が出現する法則が提唱されており、これをコルテの法則と言います。

コルテの法則

もう一度言いますが、ほぼ出ないです。重要なことは前半なので、より詳しく知りたい人だけで大丈夫です。

では、少し仮現運動と関連して、ゲシュタルト運動の一つとして、γ運動について紹介します。

γ運動

ガンマ運動これは出ます。しっかり覚えましょう。

γ運動とは、「視野全体や特定の領域の輝度の急激な変化による、基本的に単一刺激対象で生じる運動」です。

ちょっと何言ってるか分からないと思うので、有名な例を一つ紹介します。

暗室内で、一つの光点💡を呈示すると、点灯時には中心から周辺部への光の拡散が、消灯時には周辺部から中心部へ収縮の動きが知覚されます。このような輝度変化に伴う、膨張・収縮現象のことγ運動といいます。

以上で今回は終わりです。

この用語と併せて、ゲシュタルト心理学、ウェルトハイマーについても調べてみてください。