帰納的推論
今回は帰納的推論です。
二大推論方法の、演繹的推論ともう一つの推論です。
「個々の特殊事例から、普遍的知識を導出する推論」
ちなみに、帰納的推論の研究は、立ち遅れていたそうです。そこでHollandら(1986)は帰納を人間の思考にとって本質的な役割を担うものと位置づけました。そして、この推論方法として、操作的推論を提唱します。
操作的推論
「問題解決者が、提示された材料に基づいて、一般原理や構造の発見を試みること」
「事例の観察に基づいて一般化を行い、それを新しい状況に適用すること」
⇒科学的発見、言語獲得、診断等のながれです
例
1.過去や現在の行動や反応の観察に基づいて、一般化を行い、未来の行動を帰納する、ないし因果帰納する。
2.あるカテゴリの少数事例に基づいて、一般化を行い、他の事例に一般化する。
3.新しい証拠によって、確信度(strength of belief)ないし主観的確率(subjective probability)を更新する。
このような流れで人間の思考は更新されていくらしいです。
プロセス
1.事例獲得:事例情報獲得する段階。偏りなく多数の事例を収集します。
2.仮説形成:事例情報に基づいて、一般化を行い、仮説を形成する段階。
3.仮説検証:仮説に基づく結論を、観察事実に基づいて評価します。そしてその仮説が正しかったのか、修正が必要なのか、棄却するのか、そして新しい仮説生成が必要なのかをする段階です。
この推論のキーワードは“蓋然性”、確からしさです。
規則や法則を見つけ出すのに必要な推論方法ですね。
それではここで終了です。帰納的推論におけるエラーやバイアスについては、『帰納的推論におけるエラー・バイアス』の記事で扱いますので、そちらも参考にされて下さい。それではお疲れ様でした。