活動・探索動機

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今回は内発的動機の中の、活動・探索動機についてです。

簡単に説明すると、「ホメオスタシスに基づかない内発的動機」のことです。

ここでは実験を3つ紹介しますが、うち一つの「感覚遮断実験」は非常に有名な実験ですので、記述問題で出された時でも対応できるようにしておくことをお勧めします。

この考え方は、1940~50年代の動因低減説への反証として導入されました。

動因低減説

動因低減説とは、生体を本来受動的なものと捉え、動因が生じない限り活動が起こらない、という考えのもと提唱された説です。重要用語です!

内発的動機を主張する立場は、生活を、より積極的・活動的で絶えず環境と相互交渉しつつ自らの有能を追及していく存在であるとしました。

これまでの説明を踏まえて、実験を3つ紹介します。

感覚遮断実験 sensory deprivation (1954)

この実験は非常に有名ですので、記述でも対応できるようになっておきましょう。

この実験は、人間には感性動機があることを示した実験です。

感性動機:自発的・自主的な活動の動機

それでは実験の詳細に移ります。

<実験>

感覚遮断実験

被験者は、ある装置に入り、’何もしないこと’が要求されました。

この時、感覚刺激入力が最小限になるように設定され、極力外部刺激が少なくなるように、上の絵のような装置を体の様々なところに装着されます。

  • 半透明のゴーグル(明暗の感覚のみ感じられる程度)
  • 耳栓(空調のみ)
  • 手、腕のカバー(触覚の制限)
  • 食事・排泄以外の生活的行動を一切行わせない

<結果>

大体の実験参加者は、開始当初はよく眠ります。

その後、目覚めますが、落ち着きがなく、イライラしはじめ、思考低下ののち、幻覚や身体的違和感を感じ始め、多くの人が2~3日でリタイヤしました。

この結果から、人はホメオスタシスに基づく生物的動機を満たすためだけに生きる存在ではなく自発的に環境に働きかけ、環境から刺激を得ようとする内発的に動機づけられた存在、と考察されました。

その他の内発的動機に関する実験を2つ紹介します。

操作動機 (Halrlow,H.F ,1950)

機械的なパズルを猿の檻に入れておくと、猿はこのパズルに根気よく取り組み、12日間でほぼ正しく反応できるまで到達した、という実験からこの動機を操作動機としました。

好奇動機 (Butler, R. A. ,1953)

何もない小部屋に閉じ込められたサルに、特定の色のカードが貼ってある窓が開く、という弁別課題を与えます。正解すると外を見ることができる(おもちゃが走ったり、仲間が見える)という条件にします。すると猿は、外を見るためだけに課題を学習しました。これを好奇動機としました。

これで活動・探索動機については以上です。

ちなみに、活動・探索動機は、活動動機探索動機とバラバラにして呼ばれることがほとんどです。

内発的動機、内発的動機づけについては、また個別の記事で扱う予定ですので、併せて確認してみてください。

お疲れ様でした。