系列位置効果

一般心理学,学習心理学,心理学,認知心理学初頭効果,新近性効果,長期新近性効果

グランザーとカニッツ Glanzer & Cunitz (1966)

今回は非常に有名で、心理学を学んだ者にとって常識と言っても過言ではない理論、系列位置効果についてです。

系列位置効果とは、リスト形式で呈示された材料を記銘・学習する場合、各項目の成績がリスト内でのその項目の位置の影響を受けることです。

 要するに、内容が同じであっても、初めに言ったり最後に言ったりすることで、覚えやすくなったり忘れやすくなったりします。日本語では強調する際に体言止めという技法を用いますが、似ているなあ、と筆者は思っています。

 この理論は、記憶の情報処理モデルの、二重貯蔵モデルを支持する根拠となります。

 系列位置効果が見られる理由として、長期記憶や短期記憶と関連するといわれていますが、二重貯蔵モデルと関連させながら説明していきます。

初頭効果

リスト冒頭部で再生率が高まる効果です。これは初めに言われた言葉は何度もリハーサルが行われ、長期記憶に移行するために再生率があがる、とされています。

新近性効果

リスト末尾で再生率が高まる効果です。これは一番最後に言われるため、短期記憶の中にとどまっていると考えられています。

主な順序効果はこの二つですが、少し例外も紹介しておきます。

長期新近性効果

long-term recency effect

これは、長期記憶を必要とする課題であっても、親近性効果が確認されることから提唱された理論です。

 長期記憶において、最近経験した出来事の記憶が、それ以前の記憶よりも優れていることです。

当時は、リストの記銘・学習と再生の間に時間を置いて行う遅延再生の試行でも、初頭効果・中間成績に影響はないけど、末尾だけ影響を受けるという点からも、親近性効果が主流でしたが、最近の出来事ほどそれと連合した時間情報の示唆性が高いために検索されやすいのでは?という考え方も提唱されています。

以上で系列位置効果の説明については終わりです。提唱者も択一などで正誤で問われる場合もあるので、しっかりと頭に入れておきましょう。お疲れ様でした。