記憶

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memory

 今回は“記憶”について述べていきます。とても大きなテーマなので、理論の名前の紹介にとどまるものも多くあるかと思います。徐々にそれらの下位理論についても個別の記事を作成していきますので、そちらを参考にしていただけたらと思います。

 また、細かく区切って説明していきますので、目次を活用されて下さい。

研究

まずは、“記憶”といえば、絶対忘れてはいけない人物を二人紹介します。

エビングハウス

Ebbinghaus, H. (1885)

この人物は、行動理論全盛期の言語学習としての研究を行った人物です。エビングハウスといえば、“無意味綴り”と“忘却曲線”のワードが出てくるとよいと思います。

バートレット

Bartlett, F. C. (1932)

この人物は、認知心理学の時代の様々な研究を行った人物です。バートレットといえば、“記憶の変容”ではないでしょうか。

分類

記憶の分類を軽く紹介します

これらについては後程、二重貯蔵モデルでご紹介します。

記銘方略

  • リハーサル
  • 体制下・精緻化

これらについても二重貯蔵モデルでサラッと触れます

記銘方略に関して、『二重符号化仮説』がありますが、そちらは個別の記事で扱います。

記憶の忘却理論

記憶したものがどうのように忘れられていくのかについての理論です

  • 減衰説
  • 干渉説
  • 検索失敗説
  • 精神病理学的忘却・心因性健忘

大きくこれら4つに分類されますが、これらも個別の記事で扱います。

記憶の変容

一度記憶した情報が、どのようにして変容するのかについての研究がなされています。

ここで有名なワードは

・バートレット

・命名効果

・ロフタス(Loftus)

  • 凶器注目効果
  • 事後情報効果

これらも個別の記事で扱います。

過程

では、記憶について、一般的に用いられる用語の説明です。記憶の過程は、三段階に分けられます。

まずは情報を入力する〈記銘〉または〈符号化と呼ばれる段階です。

次に、入力した情報を覚えておく〈保持〉または〈貯蔵と呼ばれる段階です。

最後は、覚えておいた情報を適切に思い出す〈想起〉または〈検索と呼ばれる段階です。

この三段階の記憶の過程についての図はこちらです。↓

記憶の三段過程

情報処理モデル

次は、入力される情報らを処理する構造について、また処理過程についての理論の紹介です。

二重貯蔵モデル

dual storage model

アトキンソン シフリン (Atkinson ,& Shiffrin, 1968,1971 )

これは非常に有名かつ常識的理論です。記述で説明できるようになっておくとよいかもしれません。

このモデルは、情報が入力されてから、どのような構造で記憶を保持しているのかについての理論です。このモデルによると、情報はまず感覚登録器で入力され、短期貯蔵庫に送られ、その後リハーサルを経て長期貯蔵庫に送られます。

短期貯蔵庫で保持されている状態、またはその記憶を短期記憶と呼びます。

そして短期記憶は、リハーサルが行われることによって長期貯蔵庫に移動します。

長期貯蔵庫で保持されている記憶は、長期記憶と呼ばれます。

その流れを表したのがこちらの図です。

二重貯蔵モデル

感覚登録器:ここは、大体末端にある耳からの聴覚情報や、目からの視覚情報、皮膚からの触覚情報等を指すことがほとんどです。

短期貯蔵庫:ここで一時的に情報は保持されますが、長期貯蔵庫に移動する情報とそこで消えてしまう反応に分かれます。例えば、電話番号等はその場で覚えてそのまま忘れてしまえば、それは短期記憶です。

長期貯蔵庫:短期記憶でリハーサルが行われた情報は、長期記憶になります。ちなみにLTSとはLong Term Strage の略です。

リハーサル:これは、記憶しておくためには、何度か頭の中で繰り返し唱えたりすることがあると思いますが、その働きのことをさしています。リハーサルには二種類ありますので、それについても述べていきます。

単純リハーサル:これは、意味を理解せずに単純に繰り返し唱えることです。何の意味もない数字の羅列を覚えるときに、頭の中でひたすら繰り返す、あのはたらきです。

精緻化リハーサル:これは、意味づけを加えるなどして、より高次なリハーサルを行うことです。数字の羅列に語呂合わせをつける、というのは一種の精緻化リハーサルに当たります。

そのため、精緻化リハーサルを行った方が、単純リハーサルよりも、保持時間が長くなる傾向にあります。また、リハーサルを行っても長期貯蔵庫に移動しない場合もあります。

このモデルの根拠は、系列位置効果です。この理論についても個別の記事で扱っていこうと思います。

処理水準モデル

levels-processing theory 1972

クレイク ロックハート Craik F. I. M. & Lockhart, R. S.

こちらは処理過程の視点から述べられた理論です。情報処理の深さが記憶痕跡の強さを決めると仮定し、処理水準が深いほど、情報が忘却されにくくなる、という説です。

短期記憶と長期記憶の連続性を強調する立場の一つです。

情報処理をするにあたって、処理過程は3つの深さがある、と仮定しています。

  • 形態的処理:カラスは“カ”の文字から始まる
  • 音韻的処理:カラスと“ガラス”は似ている
  • 意味的処理:カラスは鳥類に属する

この三段階で、意味的処理が一番深い処理水準です。この理論についても、実験を含め、もう少し詳しく説明する予定ですので、記事を更新し次第、『処理水準モデル』を参考にされて下さい。

以上で記憶については終わりです。

今回は名前の紹介にとどまる理論も多くありましたが、また個別の記事も参考にされて下さい。お疲れ様でした。