アクション スリップ

一般心理学,心理学

action slip

Reason

リーズンによって提唱された概念です。

4種類に分類されますが、それは後程。

アクションスリップとは、目的的行動の遂行における3段階の認知過程のうち、3段階目(実行過程)で起こるヒューマンエラーのことです。

※目的的行動の遂行における3段階の認知過程とは、

  1. プランニング過程
  2. 貯蔵段階
  3. 実行段階

です。この段階ごとのヒューマンエラーについてもリーズンは提唱していますが、今回は割愛させていただきます。詳しくは『ヒューマンエラー』の記事で紹介する予定ですので、こちらを参考にしてください。

アクションスリップとは実行しようと意図した行動が何らかの理由でエラーを起こすことです。このスリップの生起について説明するポイントとして3つを挙げます。

  1. 習熟度が高く、自動化された行動では、自動的、制御的処理の頻繁な切り替えがあるが、それがうまくいかなかった。
  2. 二つの行動が途中まで同じ場合、その分岐点での判断を誤った
  3. 強く習慣化された行動プログラムが、弱い習慣化されたプログラム変えてしまった

これらが、スリップが起こる理由として説明できるポイントです。しかしこれらが立証されているわけではないので、あくまでも仮説です。

共通特徴として、日常生活で過度に自動化された行為の中で起きる、十分に確立している定型的な行動を、何らかの形で変化させたときに生じやすくなるというところです。

アクションスリップの種類は4種類あります。

  • 反復エラー
  • 目標の切り替え
  • 脱落と転換
  • 混同と混合

これら4種類です。

反復エラー

repetition errors

既に実行したのに、実行したことを忘れて、もう一度実行してしまうこと。

目標の切り替え

goal switches

一連の行為の目標を忘れて、無意識のうちに別の目標に切り替えてしまうこと。

例えば、途中まで職場に向かう道が一緒の友人の家に向かっていたが、気がつけば職場に向かっていた、などです。たまにありますよね。

脱落と転換

omissions and reversals

行為の系列の要素が脱落したり、順序を間違えたりすること。

例えば、容器にふたをしてからものを入れようとしたけど、もう入れられない…みたいな感じです。

混同と混合

confusion and blend

ある行動系列に含まれている対象を、他の行動系列に含まれているものと混同混合すること。

例えば、花を切る為に庭へでた時に、間違えて缶切りを持って出てしまう、などです。