エイムズの部屋
Ames distorted room
今回は知覚心理学では有名、頻出、基礎の「エイムズの部屋」のお話です。
いろんなトリックアート展みたいなところでも展示・体験ができるようになっていると思いますので、改めてどのようなものか説明する必要はないかもしれませんが、一応。
エイムズの部屋とは、「本当は歪んだ部屋なのに観察者は通常我々の頭の中にある部屋の形(四角)として捉えてしまうような仕掛けがされた部屋」を指します。
こんな感じです。
このような錯覚が起こる理由は、大きさの恒常性が働かないために起こるとされており、大きさの恒常性についてはいくつか説や条件があります。
・大きさ距離不変仮説(Size-distance invariance hypothesis)
この説によると、網膜像の大きさが一定であれば、見かけ上の大きさは距離に比例して変わる、ということです。
・対象の熟知度
これは、対象をどれだけ熟知しているかによって、恒常性が働くか働かないかが変わるとしています。熟知していればしているほど、騙されない、ということですね。
また、このエイムズの部屋のポイントとして知っておかなければならないことは、単眼観察によるものである、ということです。
ここが択一で出されたことがありました。このエイムズの部屋は、ある決められた覗き穴から部屋の中を観察するような形になっています。覗き穴からの観察は、=単眼観察であるといえます。覗き穴から両眼で見たからといって、両眼観察だと推測しないよう注意してください。
今回は以上で終わりです。