奥行き知覚
Depth perception
Berkley,G.
今回は奥行き知覚です。
18世紀初めにBerkley,G.がきっかけとなって奥行き知覚の研究が発展しました。
この記事では、奥行き知覚で有名なギブソンの理論などは扱いません。奥行き知覚の全体的な知識について軽くご説明します。
奥行き知覚とは、空間内の対象の距離(遠近)や、対象の三次元的な広がりの知覚のことです。
連合主義心理学者のBerkley,G.が18世紀初めに、「同じ方向にあるものの映像は、遠くても近くても網膜の同じ点に像を結ぶ。従って知覚における奥行きの違いは網膜像以外にある」と言い出します。
これ以降、網膜像以外の知覚手がかりについて探求が始まりました。
そのため奥行き知覚=Berkley,G.と思われてしまうと、誤解を招きかねないので、あくまでもきっかけ作りをした人物だと覚えておいていただけると安心です。
現在の奥行き知覚についてのアプローチとして、二つ紹介します。
一つは、網膜像を基にした考え方です。
やはり、網膜像以外にある!!!とは宣言されたものの、網膜像を基にした考え方がしっくりくるのでしょう。
二つ目は、ギブソン(J.J.Gibson)の知覚論です。
これはアフォーダンス理論と呼ばれていて、この理論についてはアフォーダンス理論の記事を参照されて下さい。
簡単にいうと、環境の中から構造的な情報(不変項)を抽出する、という考え方です。
その他の奥行き知覚についてですが、これに関連するワードとしていくつか挙げておきます。
肌理の勾配
不変項
両眼視差
RDS(ランダムドットステレオグラム)
視覚的断壁
これらが奥行き知覚に関する比較的重要なワードだと思いますので、是非知っておいてください。
記事の更新が進み次第、これらの単語もこのブログから飛べるようにしますので、是非参考にされて下さい。
それから一つ、豆知識です。
水晶体の調節による奥行き知覚の推定は2mを超えない範囲。
これは暗号のように覚えてください。水晶体、2m、水晶体、2m、暗号です。機械的に覚えてください。たまにこの部分が択一のひっかけで出ることがあります。2mの部分が無限になっていたり、5mになっていたり、水晶体の部分がなにか違う部位に代わることもあります。機械的にこのコンビを暗記しておくことをお勧めします。
では今回はこの辺で。