キャリア・アンカー
Schein, E. H.
今回は、キャリア・アンカーについてです。産業心理学に分類され、これを提唱した人物シャインは、他に『組織内キャリア発達理論』を提唱しています。これについては後程詳しく個別の記事で扱いますので、お待ちください。
キャリア・アンカーとは、そこまで有名ではなく、試験勉強の観点からすると重要性も低いため、さらっと目を通しておいていただくだけで良いかと思います。試験では択一問題で出てくる可能性がある程度です。産業心理を主に勉強されている方向けです。他、仕事を探す際に用いられていることが多い用語ですので、適職を探している方などはそれ専門のページで見ていただいた方が詳しく書かれているかもしれません。ここではさらっと用語の理解を目標に紹介します。それでは早速見ていきましょう。
キャリア・アンカー
自分のキャリアの”落としどころ”、”よりどころ”、”我が道”として自覚されたもののことを言い、8つあります。
①専門・機能別コンピテンス(専門職志向)
ある領域の専門家として、才能を発揮することを望みます。
②全般管理コンピテンス(マネジメント志向)
出世して責任のある管理的地位につき、自分の努力で組織の成果を左右することを望みます。
③自律・独立(独立志向)
どんな仕事も自分のやり方で納得するようなものを望みます。
④保障・安定(安定志向)
確実な仕事を安心して、ゆったりとした気持ちで取り組むことを望みます。
⑤企業家的創造性(ベンチャー志向)
新しいものやサービス、事業を起こすことを望みます。
⑥奉仕・社会的貢献(社会的貢献志向)
世の中のために奉仕することを望みます。
⑦純粋な挑戦(チャレンジ志向)
不可能と思われる課題を解決することを望みます。
⑧生活様式(ワークライフバランス志向)
個人の生活を仕事のニーズのうまく統合させることを望みます。
以上の8つに分けられるといいます。自分の仕事への考え方を当てはめたりしながら考えてみてください。
これは職業生活に入り、仕事を経験して10年ほど経過する頃に明確になってきます。
動機・欲求、能力・才能、態度・価値観を統合して認識される自己イメージのことで、このキャリア・アンカーの基礎となる資質は、働く前からあるとしても、それが実際に働くことで明確かつ確実なものとなっていくといわれています。
それでは今回はこれで以上です。お疲れ様でした。