アクセプタンス・コミットメントセラピー(ACT)

心理学,臨床心理学

アクセプタンス・コミットメントセラピー

acceptance commitment therapy ACT

これは第三世代の認知行動療法の一つと位置付けられます。

その他の第三世代の認知行動療法は、『第三世代の認知行動療法』の記事で扱う予定です。

アクセプタンス・コミットメントセラピー(ACT)は、問題が生じる原因は、行動の柔軟性と効率性の欠如であると見なします。

アクセプタンスコミットメントの過程を通して、クライエントの価値に従った有用な行動を選択できるようにすることを目標としています。

では、アクセプタンスやコミットメントの過程、とはどのようなものなのか、説明します。

アクセプタンス

アクセプタンスとは、思考・感情・身体感覚にそのまま曝されることです。そのまま曝されるとは、苦痛に対して、逃げずに接していくこと、ということです。

言語が直接的・間接的に引き起こす問題に対し、体験的なエクササイズやメタファーを使い、『言語と適切な距離をとる』ことによって、心理的な苦痛を増幅させずにその苦痛に対して逃げずに接していくことです。

ここでのキーワードは『言語と適切な距離をとる』だと思います。

ここでの典型表現の一種のようなものです。

コミットメント

コミットメントとは、自分の価値に基づいて具体的なアクションをスモールステップで増やしていき、QOLを拡大していくことです。

自分の価値に基づいたアクションを増やす、というところがこのセラピーの特徴ではないでしょうか。

これまでの認知療法や論理情動療法では、認知の歪みの改善を目指していたり、行動療法では誤った行動の学習の消去を目指していたりするので、変えることを目的とはせず、価値基準に沿った行動を進めていくという点が、ポイントかと思います。

改めてアクセプタンス・コミットメントセラピーとは、アクセプタンスマインドフルネスの過程を通じて、偏った認知や感情を抑えたり、回避することなく、クライエントの価値に従った有用な行動を選択できるように支援することを目標とするセラピーなのです。