色の知覚
今回は色の知覚についてです。
『色の知覚』といっても様々な分野に分かれますので、分類分けがしづらいものや、表面的なことだけ触れようと思っています。
今回の記事では以下の順に紹介していこうと思います。
- 色の三属性
- 色覚説
- 単一変数の原理
- クレイク・オブライエン効果
表面的な部分についてふれるので、各概念の詳細については各記事を参照してください。
色の三属性
まずは、色の三属性です。
特に試験に出るわけでもありませんが、とりあえず常識の範囲内ということで、把握だけはしておくことをお勧めします。
色は明度(Value)、彩度(Chroma)、色相(Hue)に大きく分類することができます。
簡単にいうと、色の持つ特徴、性質、のようなものです。
色を三次元XYZ軸で表現されるイメージでしょうか。このたとえでピンと来ない方はスルーしちゃってください。
この三属性は、色の恒常性について学習する時などに必要となるかもしれません。
例えば彩度について、彩度が同じものは色相が異なっていても見分けづらくなります。
色覚説
色についての色覚説は、ここでは3つ挙げておきます。
- ヤング=ヘルムホルツの3色説
- へリングの反対色説
- 色覚の「段階説」
正直なところ、色覚の「段階説」は知らなくてもいいと思いますので割愛します。
他2説は軽くだけ説明しますね。
3色説や反対色説は、心理学が始まる前に提唱されたといわれています。心理学が始まった、というのはかの有名な1879年のヴントによるライプツィヒ大学心理学実験室設置を基準とした場合です。ヴント以前の心理学の動きの一つに『感覚の生理学』と分類できる分野がありました。ここで有名なのがヤング=ヘルムホルツらです。
彼は、この現実世界の色について、3色から成り立つという説、3色説を提唱しました。
それに対しへリングは、反対色説として、この世界の色は、3色の色と、更にそれと対になる反対色から成る、としました。3色と各色の反対色なので、計6色ですね。
これについてはあまり詳しくする必要もないかと思いますので、サラッと触れるだけで終わりにします。
単一変数の原理
この原理は生理心理学に近いかもしれません。
3種の視細胞は、波長に対する感度に従い光量子を吸収する、という原理です。
よくわからないと思いますので前提からいきます。
外界から入ってくる光について、それらは3種類の視細胞によって吸収されている、という前提があります。
これもよくわからないかもしれませんが、簡単に言うと、ヘルムホルツの3色説はあながち間違いではなかったということになります。
外界の光は、3種類の視細胞(R錐体、G錐体、B錐体)によって吸収される、ということですが、光は様々な波長を含みます。3種類の視細胞たちはその波長の違いを見分けることはできません。
その波長についてわからない3種の視細胞たちは、ただその波長に対する感度(吸収率)に従って光量子を吸収するのです。自動的に、って感じです。役割が決まっているんですね。
これを単一変数の原理、といいます。
クレイク・オブライエン効果
最後はクレイク・オブライエン効果について説明したいと思います。
これは、一様な輝度分布の面が、隣接する明暗二本の線から成る境界線によって、二分されている場合、輝度の高い線いに接する側は全面が一様に明るく見え、低い線に接する側は一様に暗く見える現象、と定義されます。
言葉でいうのは難しいので、見ていただいたら分かると思います。↓
この画像をみると、定義が理解しやすいと思います。
という流れに持っていきたかったのですが、思った以上に自分の画像がへたくそなので、分かりにくいかもしれません。わかりづらければ是非ご自分で検索されて下さい。ウィキペディアなどにもあるのですぐ見つかると思います。
これの有名な錯視が「クレイク・オブライエン・コーンスイート錯視」と呼ばれています。エッジが生み出す不思議な感覚です。
以上で色の知覚については終了です。
プルキンエ現象や、錐体桿体などはそれぞれ別の記事でお話しする予定です。
お疲れ様でした。