イメージ走査

一般心理学,心理学,知覚心理学

(Image scanning)

Kosslyn 他 (1978)

今回はイメージ走査についてです。

イメージ走査コスリンらによって1978年に提唱された概念です。

彼らは、心の中で何かをイメージする(心的イメージ)時について、人はどのようにイメージするのかについての実験を行いました。

結論から言うと、心的イメージの操作は、実際の物体を回転したり、走査したりするときと同じようなアナログ的なプロセスを経て行われている、としています。

では早速、それを示唆した実験についてご紹介します。

〈実験〉

手続きを説明します。

  1. 架空の島の図を一度だけ呈示する。その後すぐ取り除く
  2. 実験参加者にその地図を心の中イメージしてもらう。
  3. 地図上のある位置焦点を合わせるように指示する。
  4. 実験者が別の位置を読み上げたら、イメージ上でそれを探し見つかったら反応ボタンを押す。
  5. その反応ボタンが押された速さ地図上での距離をグラフに表す。

この流れで行いました。

結果

結果のグラフがこんな感じです。↓

イメージ走査

こんな感じで、比例の関係になったそうです。

もっと詳しく言うと、「地図上の距離とイメージの走査に要した時間は、正比例の関係を示した」、ということです。

この結果は、心的イメージの操作は、実際の物体を回転したり走査したりするときと同じようなプロセスを経て、アナログ的に行われている可能性を示唆しています。

以上でイメージ走査についてのお話は終わりです。

ついでに。今回のイメージ走査ですが、非常に似た概念として、『心的回転』という概念があります。この概念からも、心的イメージはアナログ的に処理されているという説が通っています。どちらかというと、心的回転の方が重要概念かと思いますので、そちらは是非目を通してみてください。心的回転については徐々に更新していきますので、もうしばらくお待ちください。