概念達成実験
Bruner, J.S. & Goodnow, J.J. & Austine, G.A. (1956)
この概念達成実験は、概念研究の初期におこなわれたもので、概念形成の実験です。「思考の研究」(1956)でブルーナーらが発表しています。
この実験は三人の学者を紹介していますが、少なくともブルーナーは覚えておきましょう。
複数の属性(次元と値)からなる刺激を用いた、人工的な概念を、被験者がゼロから形成していく過程(方略)を明らかにしました。
手続きについて、手短に説明します。
- 実験者が任意の概念を特性の組み合わせで定義する
- 実験者はその定義を満たす事例(あるいは満たさない事例)を、実験参加者に呈示します。
- 実験参加者は、実験者の設定した定義を見つけ出す。
このような形で行います。この実験参加者が定義を見つけ出す段階で、どのようにして見つけ出すかを研究しました。
この実験の2過程目で用いるものがこのようなものです。↓
これらは概念の定義に当てはまるものたちを+か-で表したものです。
これはブルーナーの81の刺激の中から作られた概念です。
これと同じようなものに、ウィスコンシンカード分類テストがあるのでサラッと紹介します。
ウィスコンシンカード分類テスト
これは、色、形、数がそれぞれの4種の、4×4×4合計64枚のカードを用いる、カテゴリー分類テストです。
参加者は1枚ずつ渡されたカードに関する正誤情報を手掛かりに、分類基準を発見する、というテストです。
かるく触れておくだけで終わりにしますね。
この概念達成実験から、人は概念達成に当たって、多くの規則に従っているという結果が出ています。
人口概念を定義する規則として、連言規則、選言規則があります。また、概念を見つけ出す方略として、同時走査法、継時走査法、焦点維持法、焦点投機法などがありますが、ここまで詳しく出ることはほぼないと思われますので、興味のある方は調べてみてください。
それでは今回は終わりです。お疲れ様でした。