安全マネジメント
今回は安全マネジメントということで、事故発生に関連するモデル、重要概念について説明します。
5つの重要概念を次の順に書いていきたいと思います。
- ハインリッヒの法則(Heinrich)
- スイスチーズモデル
- スノーボールモデル
- KY活動(危険予知活動)
- 安全文化(Reason)
ハインリッヒの法則
まずはハインリッヒの法則です。
Heinrichにより1931年に提唱された法則です。
ハインリッヒが過去に発生した事故を分類して見い出したそうです。
「1件の大きな事故の背景には、29件の軽度又は重度の事故が多数発生しており、更にその背後には無数(300件)の危ない状況(ヒヤリ・ハット)がある」という法則です。
どのように分析したのかが気になるところですね。
ちなみに、無数の危ない状況とは、例えば車の運転中、信号が黄色から赤に変わり、思わずアクセルを踏んだら影に隠れて警察がいた、なんて状況は結構ヒヤリとしますよね?そんな「ヒヤリ」した状況や、ハッとした状況のことを指します。ダジャレのような感じで覚えやすいです。
スイスチーズモデル
(Swiss cheese model)
次はスイスチーズモデルです。
スイスチーズって穴が開いているチーズなんですか?トムとジェリーで出てきそうなチーズを筆者は想像していますが、それにたとえた理論だそうです。
事故が起こる原因についてのモデルです。
人員・技術・組織・作業の各段階などに脆弱な部分があり、それが重なって事故が生じることを、重ねたスイスチーズ(穴あきチーズ)になぞらえた理論です。
スノーボールモデル
(Snowball model)
次はスノーボールモデルです。
それは医療現場で生じるミスのモデルです。
医師―薬剤師―看護師などの上意下達の流れの中で小さなミスが重大事故につながる、という過程を表したものです。
この理論はサラッと理解できればいいと思います。
KY活動
次はKY活動です。
KYとは、Kiken Yochi の略です。まさかの危険予知、日本語の略なんですね。
これは住友金属で開発かれた活動で、現在は建設現場、製造業等、幅広く安全管理のために行われています。
毎朝1日の作業の安全確保のポイントを確認する活動です。
安全文化
(Reason)
最後は安全文化(Safety culture)です。
安全に作業するための必要な4要素をリーズンは唱えています。
「報告する文化」
エラー、失敗などを包み隠さず報告する文化のことです。
「正義の文化」
不安全を放置せず、罰すべきところは罰する、という正義を持つ、ということです。
「学習する文化」
過去の過ちに学ぼうとする意識が大事だとしています。
「柔軟な文化」
時代の流れなど、必要に応じて、組織のありようを変える、柔軟性が必要だとしています。
これらの4つの文化が安全に作業するうえで必要だとしました。
安全管理についての諸理論の紹介は以上です。
安全管理については試験では頻出ではありませんが、日常的に生きていくうえであってもいい知識だとは思います。