限局性学習症/学習障害
LD:Learning Disabilitiy
今回は、発達障害の一つ、限局性学習症についてです。呼び方は様々で、学習障害と呼ばれることが多いです。そのほかの発達障害については、別記事「発達障害」について扱う予定ですので、参考にされてください。
・学習障害とは
・診断基準の特徴
・症状の発展と経過
・臨床場面での援助
この記事では、これらについて説明していきます。
学習障害とは
通常の学校教育の中で基本となる、学業的技能の習得や遂行に持続的に困難を示す障害のことを言います。知的障害、感覚障害(視覚、聴覚)、文化・教育上の要因によるものではなく、言語・非言語情報の処理に何らかの影響を与えるような生物学的基盤に由来する、と考えられています。
診断基準の特徴
知能は正常ですが、特定の認知能力が選択的に低く現れる場合をいいます。他の分野においては生活年齢に応じた発達をしているにもかかわらず、ある特定の分野のみで測定された知能、教育の程度から期待されるよりも十分に低い場合を指します。
※特定の認知能力とは、読字、読解、書字、綴り字、計算、数学的推論など
重症度は、必要な支援の度合いにより、軽度、中等度、重度に分かれます。
症状の発展と経過
・有病率…学齢期の児童の5~15%、成人の4%
・通常は小学校で発症、診断されます。
・生涯にわたって持続しますが、経過や現れ方には個人差があります。
・環境からの要求水準、本人の重症度や学習能力、利用可能な支援制度や介入によっても変わってきます。
臨床援助
・教材を理解しやすく、具体的にする。本人個別のものを用意してあげるとよいです。例えば、文字で書いてある教材に、イラストや写真を入れる。読む順序を番号をふって分かりやすくする、等があげられます。
・スモールステップ化:最終目標と短期目標を決め、ゴールまでの道のりを短くしてあげましょう。そうすることで、やる気が上がると共に、達成感を繰り返し味わうことができ、成功体験を積むことに繋がり、自信に繋がります。
・学習速度の配慮:各LD児の認知特性を十分に理解したうえでこれらの対応を行うのが基本です。LDは個人によってどの分野でつまずきやすいかが異なるため、個別の指導が必要となります。
・指導プログラムの作成における配慮
学習困難に基づく、二次症状(自尊心の低下、それに伴ううつ症状、いじめ被害など)
自己コントロールの弱さ(衝動性、多動性など)
ソーシャルスキルの遅れ 等
限局性学習症については以上です。LDの子供たちは、見た目は一般的な知能を有する同年齢と同じであるため、周囲に気づいてもらいにくい特徴があります。そのため、支援学級を検討する機会が与えられない子もいます。周囲の助けによって、前向きに勉強に応じられるようになることもありますので、周りが本人の困り感に気づいてあげられることが理想です。発達障害は近年注目されている分野ですので、しっかりと頭に入れておきましょう。
それではお疲れさまでした。