感覚記憶
sensory memory
今回は感覚記憶。これはとても大切ですので、自分で論述を書けるようになるまで知識を詰め込みましょう!
では早速、感覚記憶についてです。
感覚記憶とは、二重貯蔵モデルで提唱された記憶の貯蔵場所です。貯蔵場所でもあり、外界の刺激を一番最初に体内に取り入れる入口の役割にもなります。およびその記憶自体を指して感覚記憶と呼びます。
それでは定義です。
外界から受けた刺激を処理するところ。
知覚された情報が、短期記憶になる前段階の、短期間の情報保存の形態。
感覚記憶は、モダリティごとに保存様式が異なります。そして、そのモダリティごとに、保存できるキャパがことなります。
これからそれらについて詳しく紹介します。
視覚的感覚記憶:アイコニックメモリ
iconic memory
まずは、目からの情報についての感覚記憶です。これの容量について調べるために実験が行われているので、そちらを紹介します。
〈実験〉Sperling, G (1960)
この実験では、色々なイラストや文字が書かれた一枚の図版を提示し、そこに何が書いてあったかを答えてもらうことによって、視覚の感覚記憶について測定しようとする実験です。
たしか、4×3の合計12の図版で、上段、中段、下段に分かれていたような気がしますが、そこまでは出ません。ただ、本当に合ってるか定かではないので、より詳しく知りたい方は調べてみてください。
図版が提示され、その後一定時間経ってから報告してもらいます。その一定時間というのが、視覚的感覚記憶を保持していられる時間、と捉えることができます。
一定時間が経過すると、実験参加者は報告しますが、ここで二つの教示があります。
全体報告実験「一度に見えたものをすべて報告してください」
部分報告実験「上の段のみを報告してください」
このように、実験を二つに分けた理由として、全部を報告しているときにかかる時間にも記憶の忘却が進んでいるのではないか、という批判を受けたかららしいです。
報告の時間をできる限り少なくするために、ある部分について質問し、そこから全体を推測する、という方法を採用しています。
結果
直後の保持容量は9項目前後、保持時間は約1秒 という結果になっています。
“9項目、1秒”です。最低ここだけ覚えておけばいいでしょう。
聴覚的感覚記憶:エコイックメモリ
echoic memory
聴覚の記憶についても、実験がありますので紹介しますね。
〈実験〉Darwin,C.J. (1972)
左右、正面から聞こえる音声を、一定時間置いてから報告させる実験です。
結果
直後の保存容量は9項目前後、保持時間は約4秒、という結果になりました。
“9項目、4秒”です。耳の方が長時間保持できるということが分かります。
ちなみに、この実験ではこの結果となっていますが、他の実験では15秒という説もあり、これが通説とは言い切れないのが現状です。アイコニックメモリについては、0.5秒という説もありますが、要するに、視覚より聴覚の方が保持時間が長い、ということは変わらないので、ここは押さえておきましょう。
以上で感覚記憶については終わりです。
感覚記憶といえば、アトキンソンとシフリンの二重貯蔵モデルです。ここは覚えておきましょう。
その他の記憶に関する理論などは『記憶』を参考にされて下さい。