記銘
今回は記憶の中でも記銘についてです。
記銘とは、『記憶』の三過程のうちの一つで、入力の段階ですね。記銘は又は『符号化』、encordingと言われる段階です。詳しくは『記憶』の記事を参照してください。画像も張っておきます。↓
ではさっそく、説明に入ります。
記銘にはいくつかの方法がありそれぞれ名前が付けられています。順に説明します。
リハーサル
少量の記憶事項を頭の中や口頭で繰り返し自己再生し、意識のうちにとどめ、長期記憶内での固定化を促進するよう働きかける方略です。これには大きく二つの種類に分かれます。
・維持型リハーサル maintenance rehearsal
⇒情報を一時的に記憶にとどめておく機能。
・精緻化リハーサル elaborative rehearsal
⇒短期記憶から長期記憶への転送に当たって、記憶項目をチャンク化したり、関連するイメージを作り上げたり、互いに意味的に関連付けたり、といった、既存の知識に組み入れる”体制化”のための心的操作です。
これは処理水準モデルによる考え方です。このモデルについては個別で記事を作成する予定ですので、順次作成していきますのでお待ちください。
※リハーサルをしたからといって、必ずしも成績が上がるわけではありません。
これらについてかみ砕いて筆者の解釈を交えて説明すると、維持型リハーサルは、単純な記憶で使いやすく、精緻化リハーサルはもう少し深い水準を用いて覚える際に使いやすいです。例えば、電話番号を覚える、言われたことを音のまま覚える際には、人は維持型リハーサルを用いることが多いです。心の中で090、、、とつぶやいた経験はありませんか?それに対して、精緻化リハーサルは、より深い水準で記憶を試みます。そのため、長期記憶に移行しやすかったり、長期記憶に移行するためには精緻化リハーサルが必要だったりします。電話番号で例えても、これに無理やり語呂合わせで意味を付け加えるのはこちらに入ると思います。「イイナイイナ」等ですね。産業心理的にも応用されています。
では、精緻化リハーサルと関連する記銘方略について、いくつかご紹介します。
体制化
organization
記憶項目間に何かしらの意味のある構造を取り入れて覚える方略
精緻化
elaboration
記銘材料間に情報を付加して覚えやすくする方略
これらは共通する部分があるため、完全に分けることは不可能なようですが、大まかに二種類を覚えておきましょう。
チャンキング
chanking (Miller, G. A. 1956) マジカルナンバー 7±2チャンク
”チャンク”とは、簡単に言うと「かたまり」です。そのため、チャンキングとは、かたまりを作って覚えることを指します。
人は11桁の数字を一斉に呈示して覚えるよりは、塊に分けて覚えた方が覚えやすいようです。”09046397386”(適当な数字の羅列)より”090ー4639ー7386”と言われた方が覚えやすいんですね。
ちなみに、”マジカルナンバー”とは、ミラーが提唱したもので、人は大体平均して7つまでなら覚えられるようです。人によって誤差でプラスマイナス2チャンクとされており、これが一般的な成人が一度に記憶できる量と言われています。少し苦手な人は5チャンク、得意な人は9チャンクまでを一度に記憶できるようです。
マジカルナンバー7±2チャンク、ミラー。マジカルセブンともいわれます。これは重要です。基礎ですのでしっかりと覚えておきましょう。
イメージ化
imagery
画像は言葉より記憶成績が良い(画像優位性効果:pictorial superiority)
→これについての有効な説明として二重符号化理論が挙げられます。この理論は個別に記事を作成する予定ですので、でき次第参照されて下さい。有名ですので、是非とも知っておきたい理論です。
以上で記銘については終了です。お疲れ様でした。